おそらく本書は中級者レベル向けだと思います。初級者の場合、この本に書かれているようなニュアンスの違いを気にする前にまずは英語の運用能力を鍛えるべきです。そして、ある程度、英語で意思疎通できるようになってから、上級を目指す前に自分の足元を見直す上で役立つ内容になっています。(確か私も「日本人の英語 (岩波新書) 」を学生の時に読んだ記憶がありますが、その時は英語レベルがいまいちだったので難しく感じた印象がります。)
肝心の内容はというと、著者曰く日本人の英語学習初学者が英文を作成する時は、日本語の文法に引きづられたままで、原文の日本語を英語に直訳する傾向にあるそうです。日本語と英語は文法がかなり違うので、日本語に引きづられてそのまま直訳するとおかしな英語になったり、意味不明になったり、最悪の場合、誤解を与えるケースがあると指摘しています。
もし誤解を与える表現になっている場合、読み手が英語の文法間違いに気づかないと、誤解を与えることに書き手が気づかずにコミュニケーションを継続してしまうケースもあります。これは友達通しの雑談であれば、後で誤解が分かっても笑ってすみますが、ビジネスや研究発表の場合、実害が発生したりするので、注意する必要があります。
例えば、p36の冠詞の例を紹介します。以下の2つの文の意味の違いは分かりますか?
- The government plans to phase out nuclear power plants in Japan.
- The government plans to phase out the nuclear power plants in Japan.
the がついているかいないかの違いです。著者によると1の冠詞がない複数形の場合、「some nuclear power plants」と同じ意味になるそうです。一方、theがつくとすべての原子力発電所が対象になってしまいます。日本語に訳すと以下になります。
- 政府は日本にある2つ以上の原子力発電所の廃止を予定している。
- 政府は日本にあるすべての原子力発電所の廃止を予定している。
ただ、the がつくかどうかで全く意味が異なっています。前述したように友達通しで雑談する分には全く問題ありませんが、政府の官僚だったり、ニュース記者がこの文法間違いに気づかずに報道すると世界中に誤解を与えてしまいます。これと同じ問題が自分のビジネスにおいても起こる可能性はあるのです。
このような細かいニュアンスは文法学習だけて身につくとは思えないので、お金を払って英文添削のトレニーニングを継続的に受けないといけないんでしょうね。
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