2014/01/23

【読書】海賊と呼ばれた男

2013年の本屋大賞というポップが目立っていて気になっていた「海賊とよばれた男 上」「海賊とよばれた男 下」を読みました。どうも文庫も出ていないそうで、やや高いので、サンフランシスコのジャパンタウンにて会員割引10%で購入!

著者は百田直樹さん、最近ヒットしているらしい映画「永遠の0」の原作者の方です。内容は出光興産の創業者・出光佐三をモデルにした歴史・経済・成り上がり・青春小説です。上下巻あり、かなり長いですが、非常に読みやすく、テンポも良い小説であっという間に読んでしまいました。

いちおうフィクションらしいのですが、かなり史実に忠実に書かれているとのこと。祖父母の世代は日章丸事件というとかなり有名だそうですが、ちょっと世代的にあまりよく知りません^^;

出光佐三氏は太平洋戦争前に生まれ、大八車で小麦を運び、手売りする商売から始め、アメリカで需要が出始めた石油に着目し、戦後の復興期に国内への石油の供給で貢献した方のようです。

戦前・戦中・戦後と、業界のルールを無視したとしても、石油事業を通じて日本の繁栄を常に目指してきたことで、戦中までは同業他社にいじめぬかれ、戦後は石油メジャーにやられほうだいだったようです。

しかし、戦後、石油メジャーによる日本市場の支配に対抗するため、当時、元宗主国である英国と石油利権で抗争中であったイランの国有会社と石油販売の契約を結んだことで、石油メジャーとは敵対関係になったものの、日本のエネルギー安全保証と会社の業績の面で大変な功績を上げ、世界的に名を轟かせたそうです。

小説を通して感じるのは、出光佐三(小説中は国岡鋳造)の一本スジの通った人生哲学、目先の商売ではなく日本の繁栄を常に考えた行動、そして戦後の反映を支えた当日の日本人達の謙虚さ・ひたむきさ・辛抱強さでしょうか。私自身は戦後40年近く立って生まれた人間であり、彼らのような強さは微塵もないですが。。記憶の中にある大正生まれの祖父母の人間性を小説の中に見た思いでした。

そのうち、この小説も映像化されるのかな〜。そしたら見てみたいです。

2014/01/05

【読書】SONYとマッキンゼーとDeNAとシリコンバレーで学んだ グローバル・リーダーの流儀




日本のベンチャー企業がシリコンバレーの企業を買収し、米国市場、ならびに世界での成功を目指す過程が物語形式と客観的な解説の組み合わせで進行します。章ごとに、日本と欧米企業の労働観や組織観の違いから発生する具体的な軋轢を紹介し、両者の違いを分かりやすく解説した上で、それを乗り越えていく過程を示しています。

著者の考えとして、欧米企業のやり方を過度に礼賛するわけでもなく、我々日本人の特性を活かしながら海外企業とうまくやっていく方法を考えることを提案している点は好感が持てます。著者によるとソニーの創業者盛田氏が著者の理想とするグローバル・リーダーのようです。

近年、海外企業を買収して、海外事業を発展させようとするケースは多いと思います。その際に本書に出てくるような日本の本社と現地子会社の間での軋轢のような話は往々にして見られる現象だと思います。日本から現地に赴任して海外子会社のオペレーションを担当する駐在員、あるいは海外企業と頻繁に仕事する機会のある人にも良い書籍かもしれません。

ちなみに、グローバルと言ってもシリコンバレーの話だけですし、タイトルにあるマッキンゼーとDeNAはほぼ関係ありません。これはマーケティング上の都合でしょう^^;

【読書】10年後の仕事のカタチ10のヒント シリコンバレーと、アジア新興国から考える


いわゆるグローバル企業で働き、海外で生活しているお二人の対談を元にした書籍です。

昨今のグローバル化で、単純労働だけでなく知識労働さえも簡単に海外にアウトソースされていく時代にあって、今後10年間のキャリアをどう考えるかヒントとなる内容です。グローバルグローバルと恐怖心を煽る内容でもなく、ノマドノマドと礼賛する内容でもないです。

あくまでも中立な立場で、現在の世界中の仕事のあり方、今後不利になる働き方・有利な働き方を解説しています。時代の流れを味方に付け、能力を活かしていきいきと生きていくかはあなた自身。そういうやる気をもらえる書籍です。

今後のキャリア、海外での仕事に興味ある人にオススメ。